インタビューのプロがやっている100の聞き方/質問の組み立て編/#030『「なぜ?」を連発せず、言い換える』
更新日:10月16日

泣いている子どもに「なぜ泣いているの?」と聞いても、なかなか答えは返ってきません。でも、しゃがんで「どうしたの?」と声をかけると、しゃくりあげながらも、ぽつりぽつりと話してくれたりします。
大人も、実は同じなんです。「なぜ」と聞かれると、人は「ちゃんと理由を説明しなければ」と身構えます。そして、頭の中で話をきれいにまとめてから答えようとする。すると返ってくるのは、「つまり、お客さまの笑顔のためです」といった、整ってはいるけれど、どこかで聞いたことのあるような答えです。
しかも、「なぜ」が続くと、会話はだんだん取り調べのような空気になっていきます。「なぜそうしたんですか」「なぜそう思ったんですか」「なぜ諦めなかったんですか」。聞いている側に悪気はなくても、相手は少しずつ心を閉じていってしまうんです。
そこで僕は、「なぜ」を別の言葉に言い換えるようにしています。
「なぜ起業しようと思ったんですか」ではなく、「起業を決めた瞬間って、覚えていますか。そのとき、どんな状況でしたか」。「なぜ諦めなかったんですか」ではなく、「いちばん諦めたくなったのは、いつでしたか。そのとき、どうされたんですか」。
コツは、理由そのものではなく、そのときの「場面」や「気持ち」をたずねることです。場面を思い出してもらえば、相手は考え込まずに話せます。そして、その話の中に、本当の理由が自然と顔を出すんです。
ちなみに、第22回でお伝えした「インタビューの6要素」にも「なぜ」が入っています。でも、あれは聞きたい中身のこと。その中身にたどり着くためにこそ、「なぜ」という言葉そのものは、なるべく使わないようにしているんです。
もちろん、「なぜ」が絶対に禁止というわけではありません。具体的な話をたっぷり聞いたあとで、最後に「なぜ、そこまでできたんでしょうね」とたずねると、相手は自分の言葉で、ぐっと深いところを語ってくれることがあります。
「なぜ」は、ここぞという場面のために、とっておく一言なんです。
※この文章は「魅力引き出しインタビュアー養成講座」のテキストや講義の音声データをもとにAIを活用して作成しています。
(きいてかく合同会社代表/プロインタビューライター いからしひろき)



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