インタビューのプロがやっている100の聞き方/質問の組み立て編/#022『「強み・なぜ・きっかけ・壁・学び・これから」で質問を組み立てる』

人の話を聞くとき、僕の頭の中には、いつも6つの引き出しがあります。「強み」「なぜ」「きっかけ」「壁」「学び」「これから」です。
20年以上、1,000人を超える方に話を聞いてきて、面白い話には、だいたいこの6つがそろっていることに気づきました。僕は「インタビュー記事の6要素」と呼んでいます。逆に言えば、この6つを順番に聞いていけば、誰の話でも、ちゃんと一本の物語になるんです。
たとえば、近所のパン屋さんのご主人に話を聞くとします。まずは「強み」。「このお店のクロワッサン、いつもお昼前に売り切れますよね」。次に「なぜ」。「そこまで人気になったのは、どうしてだと思いますか」。そして「きっかけ」。「パン職人になろうと思ったのは、いつ頃だったんですか」。続いて「壁」。「お店を開いてから、一番しんどかったのはいつですか」。さらに「学び」。「その時期を越えて、何を得ましたか」。最後に「これから」。「この先、挑戦してみたいパンはありますか」。
ちなみに、なぜ「強み」がいちばん最初なのか。最初に、その人がどんな実績を持っているのかを、数字や評判など目に見える形ではっきりさせておくと、そこから先に何を聞けばいいのかが、自然と見えてくるからです。これをせずに、生まれた場所や学生時代の話から順番に聞いていくと、時間ばかりかかって、話があちこちで迷子になってしまいます。このあたりは、また改めてじっくりお伝えしますね。
この中で、僕がとくに大事にしているのが「壁」です。何もかも順調だった話は、残念ながら、聞いていてもあまり心に残りません。人は、誰かが苦労して、それを乗り越えた話にこそ、ぐっと引き込まれるものです。
「いやあ、特に苦労なんてなかったですよ」と笑う方もいます。でも、苦労したことのない人なんて、この世にいません。まだこちらが引き出せていないだけ。そう思って、角度を変えながら、もう一度たずねてみます。すると「そういえば、開店して半年は、閉店後に毎晩ひとりで泣いてたなあ」なんて話が、ぽろっと出てきたりするんです。
ただし、苦労話だけで終わらせてはいけません。壁の話を聞いたら、「そこから何を得たのか」を必ずセットで聞く。この「学び」こそが、その人がいちばん伝えたいメッセージになりますし、読者にとっても価値ある一次情報になります。そして「これから」の未来の話で締めると、ただの昔話や自慢話で終わらず、聞いた側にも、さわやかな余韻が残ります。
就職の面接でも、部下との面談でも、久しぶりに会った友人との会話でも、この6つの引き出しは使えます。この順番で聞いておけば、相手の話がすっと頭に入り、あとで誰かに伝えるときにも迷いません。そのあたりは、次回もう少し詳しくお伝えします。
※この文章は「魅力引き出しインタビュアー養成講座」のテキストや講義の音声データをもとにAIを活用して作成しています。
(きいてかく合同会社代表/プロインタビューライター いからしひろき)



コメント