インタビューのプロがやっている100の聞き方/質問の組み立て編/#028『質問は短く、シンプルに』

大勢の記者が一人の方を囲む、合同取材の場でのことです。
ある大手新聞社のベテラン記者さんが、質問を始めました。「この業界は、ここ数年こういう流れになっていて、私はこう見ているんですが、特にこの点については、これこれこういう事情もありますよね。そこで、なんですが……」。
前置きは、たっぷり2分ほど続きました。ようやく最後に「この件については、どうお考えですか」。
取材を受けていた方は、苦笑いしながら「ええと、何についてお答えすればいいでしょう」。隣で聞いていた僕も、心の中で、思わず同じことをつぶやいていました。
質問が長くなるのには、だいたい理由があります。失礼のないように丁寧に聞こうとする。あるいは、自分もこれくらいは知っていますよ、と示したくなる。
そしてもうひとつ、意外と多いのが、何を聞けばいいのか迷っているときです。次の質問が決まらないまま口を開いてしまい、話しながら考える。前置きが、実は時間稼ぎになっているんですね。正直に言うと、僕にも覚えがあります。
どれも気持ちは分かりますし、迷ってしまうのは仕方のないことです。でも、そんなときでも、前置きはなるべく短く。せいぜい5〜10秒が限度だと思っています。聞かれた側からすると、長い質問は「何を聞かれているのか」を読み解くところから始めなければならない、ちょっとした試験問題になってしまうんです。
それに、質問が長いと、会話のリズムが止まります。相手がせっかく乗ってきたところで、こちらの長い前置きが流れをせき止めてしまう。
だから僕は、質問はできるだけ短くするようにしています。話が盛り上がってきたら、「それって、どういうことですか」「それで、どうなったんですか」くらいで十分です。短い質問は、相手に考える余白と、話す時間をたっぷり渡すことになります。
職場でも同じです。部下に進み具合を聞くとき、長々と状況を説明してから質問するより、「あの件、いまどんな感じ?」のひと言のほうが、相手はずっと話し始めやすくなります。
質問の主役は、聞く側ではなく、答える側。そう思うと、自然と言葉は短くなっていきます。
※この文章は「魅力引き出しインタビュアー養成講座」のテキストや講義の音声データをもとにAIを活用して作成しています。
(きいてかく合同会社代表/プロインタビューライター いからしひろき)



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