top of page

インタビューのプロがやっている100の聞き方/第一印象・場づくり編/#037『場の空気づくりこそ、一番大事な準備』


相手について調べる。質問を組み立てる。身なりを整える。約束より早めに着く。この連載では、会話の前の準備を、ここまで一つずつお伝えしてきました。


では、その中でいちばん大事なのはどれか。そう聞かれたら、僕は迷わず「場の空気づくり」と答えます。


下調べが完璧でも、質問がよくできていても、場の空気がかたいままだと、相手は本音を話してくれません。逆に言えば、下調べも、質問を先に送っておくことも、清潔な身なりも、全部は「この人になら話してもいいかな」という空気をつくるためにある。僕は今、そう考えています。


そして、その空気をつくる出発点は、意外なことに、相手ではなく自分自身なんです。


人の気持ちは、うつります。こちらが緊張していれば、相手もかたくなる。こちらが楽しんでいれば、相手もだんだん楽しくなってくる。だから僕は、自分の心を整えることを、準備のいちばん最後の仕上げにしています。


インタビューが始まったら、場の流れはすべてインタビューライターが引き受けることになります。とても集中力のいる仕事です。野球のバッターが打席に入る前に、決まった動作で気持ちを整えるのと似ているかもしれません。家のことや別の仕事の心配ごとを頭の片隅に残したままだと、目の前の相手の言葉に、どうしても集中しきれないんですね。


持ち物にも、空気づくりの工夫があります。


メモは、ノートパソコンではなく、紙のノートかタブレットにしています。パソコンだと、画面の陰で何をしているのか相手から見えません。手元で書いている姿が見えると、それだけで「ちゃんと聞いてくれている」と安心してもらえるんです。


それから、手鏡。写真撮影の前に「よかったら、鏡でご確認されますか」と差し出すと、たいていの方が喜んでくれます。寝ぐせに気づいても、こちらから指摘するのは気まずいですよね。鏡を渡すだけなら、角も立ちません。


家族と大事な話をするときも、部下と面談するときも同じです。話す中身を考える前に、まず自分の気持ちを落ち着ける。相手が座りやすい席を用意して、スマホは伏せておく。それだけで、場の空気はずいぶん変わります。


会話の中身は、空気という器の中でしか育ちません。器を整えることが、何よりの準備なんです。


次回からは、新しい章「信頼をつくる編」に入ります。整えた場で、相手との信頼をどう深めていくか。そのコツをお伝えしていきます。


※この文章は「魅力引き出しインタビュアー養成講座」のテキストや講義の音声データをもとにAIを活用して作成しています。


(きいてかく合同会社代表/プロインタビューライター いからしひろき)

 
 
 

コメント


Copyright 2023 Kiitekaku All Rights Reserved.

bottom of page