インタビューのプロがやっている100の聞き方/第一印象・場づくり編/#035『本題に入る前に、雑談で場をあたためる』

初対面の相手と向き合ったとき、緊張しているのは、こちらだけではありません。相手もまた、「何を聞かれるんだろう」と、少し身構えています。
そこへいきなり「では早速ですが、起業のきっかけから教えてください」と切り出したらどうでしょう。まるで、取調室で事情を聞かれているような気分になってしまいます。
第3回でお伝えしたとおり、会話は取り調べではありません。だから僕は、本題に入る前に、少しだけ雑談をはさむようにしています。
第24回で、1時間の取材のうち、最初のあいさつに5分ほどかかるとお伝えしました。その5分の中身が、実はこの雑談なんです。話題選びのコツは、相手がすぐに答えられること。そして、できれば、その場で目に入ったものから拾うことです。
前回お話ししたように、30分前に着いていると、自然と話題が手に入ります。駅からの道に、行列のできたパン屋さんがあった。ロビーに、立派な船の模型が飾ってあった。「あの船の模型、もしかして社長のご趣味ですか」。そう聞くと、相手の顔がぱっとほころんで、思いがけない話が始まることがあります。ときには、その雑談の中から、その日いちばんの話が飛び出すことさえあるんです。
反対に、「立派なオフィスですね」のような、ありきたりなほめ言葉は、意外と話が広がりません。相手も「ありがとうございます」と返すしかないからです。
僕が講師をしている講座でも、始まってすぐに本題へは入りません。まずは受講生の皆さんに、この1か月の出来事をひとりずつ話してもらいます。仕事が立て込んでいる人、子どもの入学準備でてんやわんやの人。そんな話でひとしきり笑ってから本題に入ると、そのあとの発言の量が、まるで違ってくるんです。
部下との面談でも、家族とのちょっと大事な話でも、同じです。いきなり本題から入るより、「最近、朝晩は冷えるね」「そのマグカップ、新しいね」。そんなひと言で、場がふっとゆるみます。
雑談は、本題の前の寄り道ではありません。相手が安心して話し始めるための、助走なんです。
※この文章は「魅力引き出しインタビュアー養成講座」のテキストや講義の音声データをもとにAIを活用して作成しています。
(きいてかく合同会社代表/プロインタビューライター いからしひろき)




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