インタビューのプロがやっている100の聞き方/第一印象・場づくり編/#034『約束の時間より、少し早めに着いておく』

取材の日、僕は約束の30分前には、現地に着くようにしています。
こう言うと、ずいぶん心配性だと思われるかもしれません。でも、30分前に着いて、損をしたことは一度もないんです。
たとえば、夏の取材。駅から走って、汗だくのまま相手の前に座ったらどうなるか。ハンカチで汗をふきながら、頭の中は「こんなに汗をかいて、どう思われているだろう」でいっぱいになります。そうなると、もう質問どころではありません。
建物の入り口が分からない、ということもよくあります。地図アプリが示す場所に入り口がない。やっと見つけたと思ったら、暗証番号を押さないと開かない扉だった。約束の時間が迫る中、あわてて先方に電話をかける。それだけで、最初の数秒の印象は、かなり危うくなってしまいます。
だから僕は、着いたらまず、取材先のビルの前まで行きます。入り口はここ、エレベーターで上がれる、と確かめたら、いったん外に出る。近くの喫茶店や公園でひと息ついて、質問を見直し、頭の中で話の流れをなぞります。最後に、トイレの鏡で髪や襟元をさっと確かめて、受付に向かうのは約束の少し前。早く着きすぎて、相手を急かしてしまっては元も子もないですからね。
この30分は、気持ちを整える時間でもあります。第10回で、毎回「今日はどんな話が聞けるだろう」とわくわくしている、とお伝えしました。そのわくわくを、ゆっくり温めておく時間なんです。
日常の待ち合わせでも、少し早めに着いておくと、いいことがあります。久しぶりの友人とのランチなら、先に着いて、話しやすい席を選んでおける。そして何より、相手を「迎える側」になれます。息を切らして駆け込むのと、落ち着いて「お疲れさま」と迎えるのとでは、そのあとの会話の弾み方が、まるで違ってくるんです。
大事な話をする日ほど、10分でいいので、早めに家を出てみてください。その10分が、きっと会話全体を助けてくれます。
※この文章は「魅力引き出しインタビュアー養成講座」のテキストや講義の音声データをもとにAIを活用して作成しています。
(きいてかく合同会社代表/プロインタビューライター いからしひろき)




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