添削でお金をいただくことにした理由

ほんとうは、添削でお金をとることには興味がなかった。インタビューに力を入れていたし、書くほうの教室はほかにもあるだろうと思っていたからだ。
でも、受講生の方からリクエストがあった。「添削があると期待していたのに……」という声もあった。
確かに、他人の原稿を添削することは多い。でもそれは業務であって、お金をとることではないと思っていた。
それでも、ニーズはあるのかもしれないと思い直した。なぜなら、添削される機会は、あまりないのかもしれないから。
ダメ出しと添削は違う
仕事で原稿を納品する。ダメ出しをくらう。フィードバックともいう。赤字ともいう。でもそれは修正指示であって、添削とは違う。
辞書を引くと、添削とは、他人の文章や答案に言葉を書き加えたり削ったりして、直すことだとある。
つまり、その文章がより良くなるために、削ったり足したりすること。あくまでも書き手の意思を尊重し、その範囲内でブラッシュアップしていくことだ。
でも、修正やダメ出し、赤字は違う。書き手の意思はあまり尊重されない。商品としての文章の完成イメージがあり、それに近づけるために、なかば力ずくで修正をかける。調整。矯正だ。それは仕事の工程の一つとしては避けて通れないことだ。だが、書き手にとっての学びは少ない。
なぜそれがダメなのか、なぜそう修正するのかを、ちゃんと教えてくれればいい。でも、いまのライター環境ではそんなことは少ない。赤の他人のライターにそこまでしてやる義理もない。そもそも自分では直せない編集者やディレクターもいるだろう。AIに校正させて全部書き換えられた、なんていう笑えない話も聞く。それでは、ライターは成長しない。
昔は(と昔話をすると年寄りマウントと思われるかもしれないが)、先輩や編集者が指導してくれた。ライターは狭き門で、人気のある職種でもなかったので、せっかくの人材を大事に育てようという気持ちが業界全体にあったような気がする。だから出入りの編集部でも、厳しかったけれど、どこに行ってもしっかり教えてもらった気がする。そうやって実力をつけていった。
だけどいまは、誰でも入って来られる時代。出版社も斜陽。ライターを抱えて、教えて成長させようなんて余裕のある会社は少ないだろう。
そうやって、若いライターさんは成長の機会を失っていく。
添削で世界が変わることも
僕だって、特に文章力があるわけではない。でも、客観的に見ることで炙り出される問題点はあり、そこをこれまでの経験を踏まえながら「こう書くとこうなるよ」と伝えることはできる。
これが結構好評で、「添削してもらうと格段に面白くなる」「見えなかった筋道が見えた」「世界が変わった」などと、嬉しい言葉もたまに言ってもらえる。
そうそう、「世界が変わった」と言ってくれたのは、うちの会社で運営しているnote「プリズム」で、毎月一つのお題についてエッセイを書いているライター仲間(きいてかくクルー)の一人だ。
その方は、感受性や共感力が高く、情緒的で温かい文章を書くセンスがあるのだが、少し迷子になっていた。誰のために書けばいいのか。それが文章に如実に現れていた。細かいところを添削したうえで、最後にこう言って渡した。「記事は読者との対話。読者は何を読みたいか、考えながら書いてみて」と。
独りよがりの文章なら、日記に書いてしまっておけばいい。でもプロとして文章を書くのであれば、必ず読者がいるわけで、読者にとって有益なことを書かなければならない。だからお金をもらえるのだ。お金はクライアントから支払われるが、突き詰めれば、読者がそのコストを支払っている。そうした視点をそれまで持っていなかったので、「世界が変わった」と言ってくれたのだ。
添削で世界が変わるのなら、こんな僕でよければ、もっと添削してあげてもいいのかも。
だけど、こちらも現役のライターであり、きいてかくことで妻子を養わなければならない。
そこで、お金をいただくことにした。
オンラインショップで添削チケットを販売
値付けはとても難しかったが、ネット上の添削サービスをいろいろと参考にさせてもらった。安すぎてもだめだし、高すぎてもだめだろう。金額やサービス内容については、受けていただいた方からいろいろご意見を聞いて、ブラッシュアップしていきたい。
販売方法ついては、弊社の公式サイトにオンラインショップを開設し、チケット制とすることにした。ショップに記した商品詳細は以下である。
問い合わせ不要で、クレジットカードでポチッと購入できる。ライターだけでなく、広報パーソンの方、ビジネスで何かを書かなければならない方、いや、仕事でなくても、ちょっとした長文を書いたので客観的に見てほしいという方まで、用途は問わない。
添削も「対話」だと思う
添削もまた、書き手と添削者の「対話」だと思う。
あなたの思いを、文章を通じて聞かせてほしい。
つまり、これもインタビューの一種なのかもしれない。
インタビューと添削の共通点については、長くなるのであらためて。
まずは、こちらのサイトを覗いてみてくれると嬉しいです。
(きいてかく合同会社代表/プロインタビューライター いからしひろき)




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