インタビューのプロがやっている100の聞き方/信頼をつくる編/#041『話す速さやトーンを、相手に合わせる』

同じ話をしているのに、なぜかこの人とは話しやすい。逆に、どこか話がかみ合わない。そんな違いを感じたことはありませんか。
その差は、話の中身よりも、話す速さや声のトーンから生まれていることが多いんです。
心理学では「ペーシング」と呼ばれる技術です。相手の話すスピード、声の高さや明るさ、場の雰囲気に、こちらを合わせていく。たったそれだけで、相手は「この人とは波長が合うな」と、無意識に感じてくれます。
以前、ある地方の建材メーカーで、僕と同世代の担当者の方にお話を聞いたときのことです。気がつくと僕は、いつもより少しくだけた、中高年のおじさん同士のノリで話していました。「最近、課長職ってしんどいっすよね」「わかります、わかります」。あとで録画を見返したら、二人ともほとんど同じ顔をして笑っていて、自分でも驚きました。
もちろん、いつもこの調子というわけではありません。相手が20代の女性なら、その年代の方が話しやすい言葉づかいやテンポを意識します。相手がゆっくり言葉を選びながら話す人なら、こちらもゆっくり。前のめりに早口で話す人なら、こちらも少し前のめりに、テンポよく返します。
特に気をつけたいのは、相手が少しつらい話をしているときです。寂しい話、悔しかった話をしているのに、こちらが明るい声で「へえ、そうなんですね!」と返したら、相手はそこで口を閉ざしてしまいます。そんなときは声のトーンを落として、「そうでしたか」と静かに受け止める。相手が考え込んでいたら、こちらも急かさず、一緒に考えるくらいの間を取ります。
ペーシングは、相手のまねをすることではありません。相手が気持ちいいと感じる場所、対話のコンフォートゾーンまで、こちらから歩み寄ることだと僕は思っています。
家族との会話でも、職場の1on1でも、得意先との商談でも、使い方は同じです。今日、誰かと話すとき、まず相手の話す速さに耳を澄ませてみてください。こちらが合わせただけで、相手の口がふっと軽くなる瞬間に、きっと出会えるはずです。
※この文章は「魅力引き出しインタビュアー養成講座」のテキストや講義の音声データをもとにAIを活用して作成しています。
(きいてかく合同会社代表/プロインタビューライター いからしひろき)



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