今週の「インタビューのプロがやっている100の聞き方」/心の持ち方編/#001 ~#004/「つまらない人」なんて、この世に一人もいない
平日の朝、きいてかく合同会社代表でプロインタビューライターのいからしひろきが、XなどのSNSに投稿している「聞く」ためのエッセンスを、週末にまとめています。(各原稿は「魅力引き出しインタビュアー養成講座」のテキストや講義の音声データをもとにAIを活用して作成しています)
「インタビューのプロがやっている100の聞き方」/心の持ち方編/#001/「つまらない人」なんて、この世に一人もいない

人と話していて、「あ、この人ちょっと話がつまらないな」と感じたこと、ありませんか。
僕はインタビューの仕事を20年以上やってきましたが、そう感じたことは一度もありません。
断言します。つまらない人なんて、この世に一人もいない。
「いや、そんなわけない」と思う人もいるでしょう。それはとても自然な感覚です。多くの人がそう感じています。実はそこに、聞き方のヒントが隠れています。
会話がつまらないと感じるとき、原因は相手にあるとは限りません。こちらの聞き方が浅いだけ、ということのほうがずっと多い。
料理人を思い浮かべてください。同じ食材でも、腕のいい料理人が扱えば驚くほど美味しい一皿になります。ですが、扱い方を知らなければ、食材の良さは引き出せません。
会話も同じです。相手という食材の魅力を引き出せるかどうかは、聞く側の技術次第。つまらないと感じたら、それは相手のせいじゃない。まだ引き出し方を知らないだけです。
僕自身、駆け出しの頃は「話しやすい人にだけ会いたい」と思っていました。芸能人や有名人、成功した経営者。放っておいても面白いネタを持っている人たちです。
でも、いろんな人に会って話を聞くうちに、考えが変わりました。無名の会社員にも、専業主婦の方にも、人生をかけた決断の瞬間があります。誰にも言えなかった葛藤があります。
聞き出せるかどうかは、こちらの技術次第なんです。
その人がこれまでどんな壁にぶつかり、どう乗り越えてきたのか。何がきっかけで、今の生き方を選んだのか。そこまで踏み込んで聞いたとき、たいていの人は思いがけないほど魅力的な物語を語ってくれます。
インタビューは特別な才能がある人にしかできないことじゃない。ちょっとした心構えと、いくつかのコツさえ知っていれば、誰にでもできることです。この連載では、そのコツを一つずつお伝えします。
次に「話がつまらないな」と感じたら、こう考えてみてください。「まだ、この人の面白いところ引き出せていないだけだ」と。
その一言を心の片隅に置くだけで、あなたの会話は今日から変わり始めます。
(きいてかく合同会社代表/プロインタビューライター いからしひろき)
「インタビューのプロがやっている100の聞き方」/心の持ち方編/#002/「つまらない」と感じたら、疑うべきは自分の聞き方

第一回では、会話の途中で、「あれ、あんまり面白くないな」と感じること、ありませんかと聞きました。
多くの人は無意識に、相手のせいにします。「この人の話がつまらないから」と。プロのインタビューライターは少し違う考え方をします。
「聞き方が浅かったから」——そう考えます。少なくとも、僕は。
相手のせいにした瞬間、会話はそこで終わります。自分の聞き方のせいだと考えれば、まだやりようがある。質問を変えれば、話はもっと面白くなるかもしれないからです。
「最近どうですか」。そんな漠然とした質問だけでは、話が広がらなくて当然です。そこで「つまらない人だな」と結論づければ、話は終わり。その人との関係も終わり。
そうではなく、「もっと具体的に、最近あった小さな変化を聞いてみよう」。そう考え方を変えるだけで、同じ相手からまったく違う話が引き出せることは珍しくありません。
会話がつまらないと感じたときこそ、聞き手としての腕の見せどころです。
相手を疑う前に、自分の質問を疑ってみる。
「相手がつまらない」ではなく、「自分の聞き方を変えてみよう」。
そう思い直すだけで、会話の質は変わります。
(きいてかく合同会社代表/プロインタビューライター いからしひろき)
「インタビューのプロがやっている100の聞き方」/心の持ち方編/#003/会話は「取り調べ」ではなく、「共同作業」

質問を重ねて話を引き出そうとするとき、気をつけたいことがあります。
それは、会話が「取り調べ」のような雰囲気になっていないか、ということです。
「いつ?」「どこで?」「なぜ?」──聞きたいことだけを次々に質問していくと、相手は尋問を受けているような気持ちになります。すると答える口は、だんだん重くなっていくものです。
プロのインタビューライターが大切にしているのは、「一緒に作り上げていく時間」という感覚です。
質問を投げて、答えをもらって終わりじゃない。相手の答えに、自分の感想や気づきを返す。時には自分の似たような経験を話す。恥ずかしい話も開陳する。そうやってキャッチボールを重ねることで、会話はひとつの作品のように、二人で作り上げていくものになります。
相手が「転職を考えている」と話してくれたとします。「なぜですか」とだけ聞き返すのではなく、「それは勇気がいる決断ですね。実は僕も昔、同じような迷いがあって……」。自分の言葉を添えてみる。相手の中で、「聞かれている」が「一緒に話している」に変わります。
会話は、情報を引き出す尋問じゃありません。相手と一緒に、その場でしか生まれない素晴らしい時間を過ごすための共同作業です。
そう思うだけで、相手の表情も話す内容も、驚くほど変わります。
(きいてかく合同会社代表/プロインタビューライター いからしひろき)
「インタビューのプロがやっている100の聞き方」/心の持ち方編/#004/相手は「材料」ではなく、「一緒に作るパートナー」

人から話を聞くとき、無意識のうちに相手を「ネタ元」のように扱ってしまうことがありませんか。
ネタ元というのは、刑事や新聞記者に情報を提供してくれる人のこと。昔テレビの2時間ドラマで出てきましたよね。怪しい飲み屋のバーテンダーとか麻薬の密売人とか。
まあ、それは極端な例としても、商談で相手のニーズを知りたいときも、部下の本音を聞き出したいときも、起こりがちな落とし穴です。
ネタ元として相手を見てしまうと、関心は自然と「自分が欲しいものが手に入るかどうか」に向かいます。
でも、相手はどこかでそれを感じ取るものです。「この人は、話を聞きたいんじゃなくて、何かを取りたいだけなんだな」と。
その瞬間、人は本音を話すのをやめます。
プロのインタビューライターが意識しているのが、相手を共同作業の相手、つまり「パートナー」として捉えること、というのは第3回でお伝えしました。
相手から何かを引き出すんじゃない。相手と一緒に、その場で新しい発見や気づきを作り上げていく。そんな対等な関係です。
得意先との商談でも同じです。「この人から情報を引き出そう」ではなく、「この人と一緒に、より良い提案を作り上げよう」。そう考えるだけで、質問の言葉や表情は変わります。相手も、それを敏感に感じ取ります。
会話の相手は、材料じゃない。あなたと一緒に時間を作り上げていくパートナーです。
そう捉え直すだけで、相手が心を開いてくれるスピードは変わります。
(きいてかく合同会社代表/プロインタビューライター いからしひろき)




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