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きいてかくタネ:10粒め「時間がない?時間は自分で作るものだよ」

更新日:1月10日



タイトルの言葉は、私が20代、ライターとしてかけ出しの頃の先輩編集者が口にしたものです。当時私は今にもまして要領が悪く、締め切りも遅れがちでした(今は締め切りは遅れてないですw)。その言い訳として「忙しい」「時間がない」と言っていた私に、一言そう言ったのです。


その人は当時40代後半だったでしょうか。趣味も家庭も、あとあまり大っぴらには言えませんが「女遊び」もお盛んな人で、よくそんな時間があるなと感心していました。もちろん仕事は完璧です。そんな人の言葉だから、当時の私の心にもグサリと刺さったのですが、「忙しさを言い訳にするな」「もっと効率よくやれ」という戒めだということは理解できましたが、実際にどうやって「時間を作る」のか、その方法まではわからないまま、ここまできてしまっていました。しかし今、本腰を入れて「時間の作り方」を極めたいと思っています。


それまでは、どこか油断していました。若かったし、「時間は無限にある」と錯覚していたのかもしれません。しかし50代になり、もう時間は無限ではないと、実感できるようになりました。あとどれくらい、バリバリ仕事ができるでしょうか。新しいことにチャレンジできるでしょうか。旅ができるでしょうか。やりたいことはたくさんありますが、とてもいままでのペースでは実現できないように思えてきました。この人生(大学に行かず、会社にも属さず、ずっとフリーランスとして食べてきたこと)に後悔はありませんが、やりたいことをやれずに死んでいくのは悔しいです。


いや、死んでしまうことは問題ではありません。明日、今日、突発的に死ぬこともあるのですから。そうなったらやり残すこともたくさんあるでしょう。それどころか明日入れる原稿も中途半端になってしまうはず。どれだけ迷惑をかけるか……。しかしそこまで用意周到にはできません。だから死んでしまった後のことは知りません。そうではなく、「あれもこれもやりたかったな。でも足腰、気力が衰え、思うように行動できない」と思いながら老いていくのは怖いです。


さて、では、どうやって時間を作るか。今だって、1日の目一杯を使っています。行動やアウトプットのクオリティに響くので、睡眠時間は減らしたくありません。具体的には「やりたいのだけれど、できていないことに使う時間」を作りたいです。例えば、新しい事業計画や、仕事に関係ない読書、新しい趣味、イカゲーム2を観ること(見始めましたが、それまでもあらすじを忘れてしまっていたので、パート1の最初から見始めないといけないと気づいたばかり)、などなどです。つまり、締め切りのある原稿や家事など必ずやらなければならないタスクではなく、必要ではないけどやりたい、やったほうがよいであろうタスク、つまり「余計なこと」に使う時間です。


余分な時間だから、やらなくても困ることはありません。だからつい後回しにして、やらないで終わってしまいます。でも本当に困らないでしょうか?いや、きっと困ります。将来の自分がです。余計なことは、お金で考えると貯金に置き換えられそうです。必ずやらなければならないタスクをこなすだけの生活は、日銭でその日くらしを自転車操業でするのと同じように思います。なんとか毎日を送れるでしょうが、貯蓄がないから新しいこともできませんし、家族で旅行に行ったり、家を建てたりということも無理です。老後だって不安でしょう。いつまでも元気で働けるわけでもありません。


「余計なこと」もそれに似ています。毎日のタスクをこなすだけでは、自分の心の貯金箱は空っぽのままです。新しいことをしたいと思っても、そのアイデアすら浮かばないでしょう。浮かんだとして、いきなり始めるのはあまりにも効率が悪いです。例えば、少しでも若いうちに釣りやキャンプなどの趣味を初めておけば、ある程度お金と時間の余裕ができた時に、一気にスパートをかけられます。歳をとっていても、経験とお金があれば、気力と体力をなんとかカバーできるはずです。


だから今から、そうした「余分なこと」をするための時間を作りたいのです。でも、その方法は、まだ明確には見つかっていません。でも、ヒントのようなものは朧げながら見えています。実はいま関わっているブックライティングが「時間」をテーマにしたものです。取材を重ねるなかで、「なるほどこうすればいいのか」「そういう考え方があるのか」と、目から鱗の連続です。


取材から得たヒントはたくさんありますが、まずやってみようと思っているのが、「目標を書き出す」ことと、「1日の行動を記録すること」です。前者は目標を明確にすることでモチベーションを上げる、後者は無駄な行動を洗い出すのが目的です。無駄の洗い出しは、目標設定とセットにするのがポイントで、「これをやりたい!」という強い気持ちがあれば、無駄を省くという「やらなくてもいいこと」にも力が入るだろうからです。


さっそく今朝から、行動の一つ一つをGoogleカレンダーに記録しています。それこそ朝起きて、コーヒーを飲んで、子供の朝食を作って……ということを、行った時間まで記録してみました。そうやって朝の行動を「見える化」してみると、あれだけバタバタしていて、無駄な時間など一切ないと思っていた中に、30分の空白を見つけました。あれ、一体何をしてたんだっけ?


思い出してみると、ぼけっとテレビを見ていました。もちろん情報収取なら構いませんが、何を見ていたのかも覚えていません。これは無駄です。この30分を何かに使えないか──あ、これが時間を作るということ?


これが正解かどうかはわかりません。でも、しばらく続けてみるつもりです。その波及効果はすでに出ています。あらためて、細かく1日をスケジューリングしたことで、前から書きたいと思っていたこのコラムを仕事前に書けています。週末には目標の書き出しもしてみるつもりです。自分はいったい何をやりたいのか?漠然と思い描いていることも「見える化」することで、何をすべきかも、きっと見えてくるに違いありません。


改めて自分に言い聞かせたいです。「時間がない?時間は自分で作るものだよ」と。


(きいてかく合同会社 代表 いからしひろき)

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