タイトルは『「存在感」はつくれる』
著者は大塚ちづるさん。
出版社はフォレスト出版。
ひとことで言うと、
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控えめで目立たず影響力もなさそうなのに
なぜあの人は、いつも仕事やプラベートで選ばれるのか?
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という疑問に答えてくれる本です。
著者の大塚ちづるさんは、米金融大手ゴールドマン・サックス証券株式会社ニューヨーク本社とアジアパシフィック支社にて25年以上の人事経験を有し、その間、様々なグローバルリーダー達の信頼できるアドバイザーとして、5,000人以上の人材育成及び管理に携わりました。独立後はグローバル企業向けの人材育成に特化したコンサルティングを提供。シニアマネージャーのエグゼクティブコーチ・アドバイザーを務め、キャリア女性の育成やスタートアップ向けの人事コンサルティングにも注力しています。
大塚さんは、
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控えめで目立たず影響力もなさそうなのに
なぜあの人は、いつも仕事やプラベートで選ばれるのか?
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という問いに対して、こう答えます。
──自分の可能性を見せつける術(すべ)を知っているから。
その術こそが、「プレゼンス」です。
プレゼンスは、直訳すると「存在感」となりますが、
◎その場にいるだけで議論をコントロールしてしまう
◎直接話していなくても信頼してしまう
◎つい仕事をお願いしたくなってしまう
こういった場を動かす「影響力」というふうに捉えても良いと大塚さんは言います。
自分の本当の可能性は他人の目からは見えません。
大事なのは、その可能性を持っている人間だと思わせることです。
名声や肩書きがないのであれば、プレゼンスを磨いて、本当の自分の可能性を示すことが大事です。
控えめで影響力がないどんなに目立たない人であっても、プレゼンスに磨きがかかれば、重要な仕事を任せてもらえるようになったり、大事な場面での発言権を得ることができたり、自分の提案が通りやすくなったりします。
それはなぜか?
──プレゼンスが本来の能力を最大限に引き出してくれるからです。
本来備わっている能力を発揮できずにくすぶっている〝もったいない人材〟でいるか?
誰からも一目置かれ、つねに選ばれ続ける〝輝く逸材〟になるか?
誰しもが後者のような存在になりたいと思うでしょう。
そんな存在になるためには、本書でお伝えする「プレゼンス」を高めることが重要です。
本書では、そんなプレゼンスの大切さを自分事として理解してもらうために、ストーリー仕立てで解説を挟みながら構成しています。日本の外資系企業で働く〝もったいない人材〟が、ニューヨーク帰りのメンターによってプレゼンスを磨かれ、本当の自分の可能性を発揮していくというストーリーです。
この、「ストーリー仕立て」という設定は、僭越ながら私が提案いたしました。
大塚さんの考えとノウハウを聞いた時、そもそもプレゼンスとは何か、それを磨くことがなぜ大事なのかをまず伝えないといけないと考えました。
ところが、普通のビジネス書のスタイルで書いてすぐに理解できる人は、ある意味プレゼンスが磨かれているレベルの人、つまり問題意識をしっかり持っている人です。
でも、本当にこの本を手にとってほしいのは、自分の今の不満の源が存在感にあるということに気づけていない人。なんとなくモヤモヤしているけれど、それがなぜかわからないという人です。
そうなってくると、論理的な文章を並べるより、身近なシチュエーションと共感できる主人公を用意して、わかりやすいストーリーを楽しんでもらうことで、「あ、これ、自分のことじゃん」と気づいてくれるのではないかと思いました。
そうじゃないと、本当に届けるべき人にと届けられないと思ったのです。
ネタばらしすると、お手本にしたのは神田昌典さんの『成功者の告白』という本です。20年近く前のITベンチャーの創業ノウハウを物語で伝える本ですが、ストーリーテリングが非常に巧みで、小説として十分読み応えがあります。この本の主人公は男性でしたが、大塚さんのお話しを聞いた時、女性にしてみたら面白いのではないかとひらめきました。
しかし、ビジネス書としては、かなり大胆なスタイルです。果たして受け入れられるか不安でしたが、編集者も大塚さんも快諾してくれました。「おもしろい!」と。
そうした背景があるので、私自身にとっても、非常に思い入れのある一冊です。
二十歳前後の時、映像の専門学校に通っており、テレビの仕事でショートドラマの台本なども書いていた経験が活きました。
主人公は20代の女性。
舞台設定や登場人物などは架空ですが、ちりばめられているエピソードは、著者がゴールドマン・サックス時代に世界各国の同僚や上司から学んだことやプレゼンスビルダーとして数多くのエグゼクティブにアドバイスをしている中で得たリアルなものです。
年齢、性別、業種に関係なく、すべてのビジネスパーソンに役に立つ1冊となっています。
4月22日、Amazonほか全国に書店にて発売です。
ぜひ、お手にとってお読みください。
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