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空気をつかむ力(ちから)

更新日:3月12日




よいインタビューには何が必要かを考えてみました。

質問内容?

僕自身、大体どのインタビューも一緒です。

もちろん秘訣はありますが(それは後日ご紹介します)、決まったセオリーがありまして、まあそれをいつも回しているような感じです。

質問項目は1時間のインタビューで6つくらい。1個10分くらい聞けば1時間になるわけです。


では鋭く切り込むことでしょうか。

相手の核心をつくような質問で本音を引き出す。

それも大事ですが、お互いの信頼関係ができていないと、本音を話してはくれません。

では、初対面の人とわずか数十分の時間でどうすれば信頼関係を築けるのか。

語弊があるかもしれませんが、そんな短時間で信頼関係なんて築けません。


同じ会社の同僚でもあやういところ。下手すりゃ関係性を築けないまま部署が変わる、会社を辞めるなんてことはザラでしょう。

家庭においても、15年連れ添っている妻とだって本当の意味で信頼関係が築けているかどうか……。

とても1時間ぽっちのインタビューでは無理です。


ではどうもうできないのか。

関係性を築けているように錯覚させることはできます。

どうやって?

「空気をつかむ」のです。


空気を読む、空気を作る、空気が変わる、空気を支配する、といった言い方はよく聞きますが、「空気をつかむ」とはどういうことか。


内容的には空気をつくるや空気を支配するにも似ていますが、そこまでクリエティブではないし、力づくでもない。


そこに漂っている、信頼関係のような空気を、さりげなくキャッチして、1時間もたせる。


そういう「かりそめ」的なものなので、やっぱり「つかむ」が最適な表現かなと。


インタビューが終われば、そのつかんだ空気は、リリースします。(いつまでもつかんだままではしんどいですからね。こんな言い方はあれですが、取材が終われば赤の他人です)。


つまり、「なんとなく、その場だけは、気の置けない仲間同士のような空気をつかむ」。


これができれば、インタビューは半ば成功したようなものです。


気の置けない仲間同士なんですから、多少の軽口や立ち入った質問も許してくれる空気になっていますからね。あとは興味の赴くまま、いろいろ聞けばいいんです。(後日、「あの発言はやっぱり……」ということは多々あります)。


では、その空気をつかむにはどうすればいいのか。


軽妙な雑談から入って場を和ませるのもよし、真剣に話を聞くもよし。


個人的には、軽妙すぎても軽薄に思われるし、真剣すぎてもうざがられるので、なるべくニュートラルな態度で挑もうとは思っています。


でも、コレという方法論はありません。


それこそ、ライターの知恵と工夫、力量だと思います。


私も最近、ライターさんにインタビュー仕事をお願いする機会が増えましたが、その際に重視しているのは、現場で空気をつかめるかどうか。どんなに頭が良くて、文章力があっても、その場をつかめないと、良いインタビューにはならないからです。


私は、インタビューとは1時間のショーだと思っています。


なるべくその時間は楽しみたい。インタビュイーにも、周りの関係者にも楽しんで欲しい。


そのためにも、


「空気をつかむ力」


は必要です。


ライターの重要なスキルとして、もう少し日の目が当たって欲しいなと思います。


(おやびん。)






















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