top of page

きいてかくタネ15粒め: つまらない会議を実のある面白い会議にする方法#前編



会議がつまらない、良いアイデアが出てこない、という悩みはありませんか?


Zoomなどウェブ会議システムの普及で時間こそ短くなりましたが、「ただ皆で集まって話しているだけ」という状況は変わっていないのではないでしょうか。会議をしているだけで満足していては、会社は成長しないし、イノベーションも起こせないでしょう。


大事なのは結果にコミットして、かつ楽しくやるということです。そのためには、実はプロライターのインタビュー技術がとても有効なのです。


## プロライターのインタビューとは?


そもそもプロライターのインタビューとは、ただ相手の話に耳を傾けることではありません。それでは単なる傾聴です。介護施設のお年寄りが相手ならそれで良いかもしれませんが、それでは面白い話は引き出せません。


また、アンケートとも異なります。聞いたことに対して一度返ってきただけの答えは何の深みもないでしょう。お客様アンケートなどよくありますが、本当に何かを改善するためにやっているのか疑問です。連絡先を知りたいだけではないかと勘繰ってしまうのは私だけでしょうか。


ライターのインタビューの目的とは、簡単に言ってしまえば、相手から他の記事に書いていないような新しくためになる情報を引き出すこと。新聞記者なら特ダネですね。そのために、さまざまな手を使っています。


方法はライターによってさまざまです。先輩から教わったものもあれば、自分で考えて身につけたものもあるでしょう。なので一概にこれだとは断言できませんが、共通するのは「つい言ってしまった」という状況を作ることです。「この人にこれを言っていいのか?」と疑心暗鬼な状況では、決して本音や深い話は出てこないでしょう。そのために最も必要なのは、インタビュアーに対する「信頼感」なのですが、これは抽象的な話であり、高度なテクニックでもあるので、今回は省略します。


今回は、誰でも簡単にできる方法で、実のある会議にするテクニックをお教えします。


## 実のある会議にするシンプルな方法


その方法はシンプルです。以下の3つを意識してください。


1. 安心感を与える

2. 共犯関係を作る

3. ゴールを設定する


一つずつ解説していきますね。


## 1. 安心感を与える


これは前記したように、「これを言ってもいい」と思わせる状況を作ることです。「これを言ったら上司に怒られるかも」という状況では活発な議論は生まれないでしょう。ではどうすればいいのか?


私たちライターは、基本的には初めて会う相手といきなり核心的な話をするのが仕事です。与えられている時間はせいぜい1時間。つまり、一瞬で相手に安心感を与えなければなりません。そのために私が大事にしているのは、以下の3つです。


* 自己紹介

* リサーチ

* 表情


### 自己紹介


まず、自分がこれから話す相手の素性が分からなければ不安になりますよね。なので、どんな人間なのか瞬間的に分からせる自己紹介が重要です。ダラダラつまらない話ではいけません。一瞬で相手の心を掴む必要があります。


私が使っているのは「名前」です。私は五十嵐と書いて「いからし」と読む(新潟県特有の呼称)のですが、あえて名刺にはひらがな表記をしています。すると、大体の人が名刺交換のときに「いがらしじゃなく”いからし”なんですね?」と聞いてきます。そうなったらしめたもの。「はい。実は新潟は五十嵐性の発祥の地で……」と始めるのです。まさにツカミはオッケー。一気に打ち解けられます。


オンラインでも名前を表示するところをひらがなにしておけば同じ効果があります。全員が特徴的な名前とは限りませんが、何か一つ「ツカミ」を用意しておくとよいでしょう。少なくとも、出席者の自己紹介は必ずやってください。


### リサーチ


続いての「リサーチ」ですが、これは、どんな人でも”自分のことに興味を持ってくれているのは嬉しい”という心理をくすぐるためです。私たちライターは、取材相手のことを可能な限り調べて挑みます。それは、話の糸口をつかむのと同時にマナーでもあるからです。


相手は、「この人はちゃんと調べてきてくれた。自分のことに興味があるのだ」と安心するし、嬉しくなります。それと同じことを会議でもするのです。出席者のささいなことでもいいので、事前に調べておく。趣味や子供、仕事の内容でも何でもいいのです。


例えば、出席者の自己紹介の後に、「●●さんは最近お子さんが産まれたんですよね」とか「大きなプロジェクトを成功させたんですよ」などと一言添えてやるだけで、本人は喜びますし、他の人も会話のとっかかりになります。


### 表情


三つ目の表情ですが、しかめっ面の人に喜んで話す人はいないですよね。プロのライターでも意識できていない人が多い。真剣に聞きたい時ほど眉間に皺を寄せてしまうのです。会議でもそうではないでしょうか。難しい議題の時ほど、特に座長は笑顔を心がけてください。安心感がなければ斬新なアイデアは浮かばないものです。


さて、ここまできたら、かなり会議の場の安心感は醸成されているはずです。次は「共犯関係」を作ることですが、これは一体どういうことでしょうか。続きは次の機会にお話ししたいと思います。


(続く)


きいてかく合同会社代表:いからしひろき


 
 
 

Commentaires


Copyright 2023 Kiitekaku All Rights Reserved.

bottom of page